『かぐや姫の物語』の感想です
「竹取物語」、または子供の頃に聞いた「かぐや姫」のお話を、おそらく初めてかぐや姫の側から描いた作品です。
筆遣いや絵の勢いをそのまま生かした流れる様な映像は、本当に美しいです。
あの映像によって、子供の様に無邪気なまま、のびのびと成長していくかぐや姫の瑞々しさが実に良く表現されていると思います。
前半部分の姫が生き生きと描かれている分、周囲の思惑により「高貴な姫」としての生活を強いられる彼女の悲しさ、それを姫のためだと信じて疑わない翁の愚かさ。
彼女の犯した罪と、その罰の切なさも更に深まっているように感じます。
子供の頃、『かぐや姫』のお話を読んだ時はとても怖い話だと感じたのですが、これほど切ない話に描かれているとは思いませんでした。
=高畑勲監督=2013=日本映画=
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